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患者トラブル

医療過誤が発生した病院が最初に取るべき対応と法的責任の整理

1.病院で医療過誤が起きてしまったら

 医療の現場では、どれほど注意を払っていても、予期せぬミスや判断ミスにより、患者に何らかの被害が発生してしまう場合があります。医療行為は人の手によって行われるため、このような事故を完全に防ぐことは難しいですが、病院側に過失があった場合には、法的責任を問われる可能性もあります。
 そのため、医療過誤が発生した場合には、病院には、迅速かつ適切な対応が求められます。本記事では、医療過誤が発生した際に病院が行うべき初動対応と、病院側に生じる可能性のある法的責任について解説します。

2.医療過誤とは?

 医療過誤とは、医療行為に際して発生した予期せぬ結果(医療事故)のうち、医療従事者が医療の遂行において医療的準則に反したことが原因であるものをいいます。例えば、手術部位の取り違えや投薬ミスなどがこれに該当します。

3.医療過誤が発覚したときに、病院側が最初にとるべき対応

 医療過誤が発生した場合には、まず、患者の状態を把握し、必要な応急処置を迅速に行うことが最優先です。次に、医療過誤が生じた患者やその家族に対し、医療過誤の内容について誠意ある説明を行うことが重要です。
 そして、関係書類やデータの調査、関係者に対するヒアリングを行い、事実関係を正確に把握することで、医療過誤が生じた原因を究明することが求められます。調査に際しては、例えば、第三者委員会を設置する等、透明性を確保することが望ましいです。
 その後、医療過誤の原因に関する調査結果を踏まえ、患者に対して行う損害等賠償、医療過誤の再発防止策について検討することになります。

4.病院が負う法的責任とは

 医療過誤によって患者に損害が生じた場合には、病院や医師は以下のような法的責任を問われる可能性があります。
 まず、病院や医師は、患者やその家族から、医療過誤によって患者やその家族に生じた損害の賠償を求められる可能性があります(民事責任)。
 次に、医療過誤によって患者に傷害を負わせ、又は、死亡させてしまった場合、医療過誤を生じさせた医師に、業務上過失致死傷罪が成立する可能性があります(刑法211条、刑事責任)。業務上過失致死傷罪が成立する場合には、5年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金に処せられます。
 更に、医師や看護師は、国から与えられた免許に基づいて業務を行っていますので、医療過誤を発生させた医師や看護師には、厚生労働大臣によって、戒告、3年以内の医業の停止、免許の取消し等の行政処分がなされる場合があります(行政責任)。

5.病院内で注意すべき対応ポイント

 病院が、医療過誤が発生した場合の対応において注意すべき点としては、まず、医療過誤により患者の生命に危機的状況が生じた場合には、患者が強い不安におそわれる可能性がありますので、患者に対する心理的な配慮が必要である点が挙げられます。
 また、患者の家族に対する連絡及び説明は速やかに行うことも重要です。家族に対しては、容態が急変した事実を告げた上、現在判明している事実関係の説明、応急処置の内容や今後の治療方針に関する説明を行う必要がありますが、トラブル防止や信頼関係の維持のために、説明時点で未だ明確になっていないことを推測で述べる等、不正確な説明を行うことのないように注意する必要があります。
 また、患者への損害賠償の要否やその内容、再発防止策の検討のために、医療過誤発生時の状況及び経過については、正確かつ客観的な記録を残しておくこと、各種証拠を保全することも必要です。

6.弁護士の役割と相談すべきタイミング

 このように、医療過誤が発生した場合、病院には、患者の被害に対する応急処置以外にも、迅速かつ適切な対応が求められます。特に、初動対応においては、注意すべき点も多く、病院側にとって、緊張を強いられるものでしょう。
 医療過誤が発生した場合に、弁護士に速やかにご相談頂けましたら、患者やその家族に対する対応の内容、方法についての具体的な助言や、保全すべき証拠の内容や保全の方法についての具体的な助言を受けることができます。また、患者やその家族との間の信頼関係の維持が困難であると考えられる場合には、弁護士が病院側の代理人となって、患者やその家族との間の示談交渉や訴訟への対応を行うことができます。その他、医療機関の内部ルール整備や、コンプライアンス体制の見直しにも、弁護士が関与することができます。
 このように、医療過誤が発生した場合には、速やかに弁護士に相談し、法的な観点からの助言等を受けることによって、迅速かつ適切な対応により被害の拡大を防ぎ、法的リスクを最小限にとどめることが重要です。
 弁護士法人法律事務所瀬合パートナーズでは、病院やクリニックを経営する医師の皆さまから、様々なご相談をお受けしております。まずはお気軽にお問い合わせください。

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